大好きな大好きな白いワンちゃんが星になったとき
小さな男の子は声をあげて泣きました
おっきな愛を感じたことも
これでワンちゃんの身体がラクになったことも
小さい男の子なりに分かっていたんです
それでも
大きな声で泣いたんです
ワンちゃんがお星様になる時に 抱っこしていてあげたかったと・・・
それはそれは後悔して泣いたんです
そんな男の子に一通の手紙がきました
『ワンちゃんは今の身体で奇跡を起こすのではなく、元気な身体になって
必ず小さな男のもとへ戻ることを神さまと約束したの。
ワンちゃんはそれを とてもとても楽しみにして星になっていきましたよ☆
待っていてあげてね』
男の子はその手紙を信じ
秋
冬
春
夏
と待ちました
そして
ある日、小さな男の子は白い子犬と出会いました
『おかえり』
男の子はまた泣きました
嬉しくて嬉しくて泣きました
小さな男の子と白い子犬は今、幸せに暮らしています
けれどもある時
小さな男の子は 星になったワンちゃんの存在を感じたんです
空から感じたんです
ワンちゃんの呼ぶ声は足元から・・・
そこには白い子犬がしっぽを振っていて
男の子は不思議に思いました
『お空にも、まだワンちゃんいるの?
白い子犬として生まれ変わったんじゃないの?
お空にも・・・ここにも・・・?どうして???』
小さな男の子は 動物が大好きなお姉さんに聞きました
お姉さんは動物とお話しする学校に行っていて
こんな話をしてくれました
『もし魂が100としたら、そのうちの何パーセントかが生命として降り
て来て 残りの何パーセントは魂のままお空に残ってることもあるそ
うですよ。とても珍しいことだけどね。』
小さな男の子は微笑んでいます
白い子犬を抱きしめ 空を見上げ
星になったワンちゃんの名前を呼びながら・・・